ふじやの想い

今から40数年前に「いつか旅館をやりたいね。」と、夢をもち続けた女将とその夢を実現する為に力を合わせた家族。
実家の目の前に広がる田畑を開拓し1990年、全8室の冨士屋旅館（後の四季味亭ふじや）が誕生しました。

当時の旅館は時代もあり、団体のお客様が多く来ていたことを記憶します。
この旅館の特徴は、女将が自ら料理もこなしていた事で、時間を見つけては調理場で準備をしながらお客様の対応もしながらの日々でした。
夕食の時間と言えば、お料理提供した後は自慢の声でカラオケのおもてなしも行っておりました。今でも忘れませんがこのカラオケがとても評判がよくそして皆が本当に楽めた空間がいつも広がっていました。
今でもそうですが、この頃から名物女将としてお客様には知れていました。女将の人柄と料理が評判で常連のお客様も多くお越し頂いてた事を思い出します。

旅館オープン後間もない家族写真

オープン当初　女将のカラオケが食事のしめの名物でした

開業後、20年も経つと時代の変化もあり、団体のお客様も少しずつ減っていきました。
平日になると空室が目立つ日々があり、元気がない時代もありました。このままだと廃業をするしかないのかもしれないと家族会議も開きました。
そんな中、冨士屋旅館に変化がありました。
創業当時小学4年生だった長男が料理人として修業先から戻ってきたことでした。廃業前の悪あがきと言われようが長男を巻き込んで料理に磨きをかけました。そしてつかんだ、食事の口コミランキング上位受賞。
少しずつお客様が戻っていき、料理で長男が盛りあげ、女将がおもてなしで盛りあげるという揺るぎないおもてなしが完成しました。

長男のおもてなし

女将のおもてなし

2009年。勝負の年がやってきました。
それは旅館の大幅なリニューアル工事。そして心機一転宿名も『四季味亭ふじや』へと改名しました。
もう昔の事なので知らない方が多いと思いますがこの年に《どん底旅館の奮闘記》というドキュメント番組にも出演しました。
半年に及ぶカメラとの生活を通して私達、家族のすべてが世に出た瞬間でもありました。
結果はと言うと…放送開始早々から予約の電話が鳴り続き、旅館のホームページもダウンするという反響がありました。
涙が出るほど嬉しかった。この言葉が一番あてはまる瞬間でした。
辛い日々を生々しく撮影された日々、そして喜びのその後の撮影までドキュメント番組にも支えられた時期でした。

自家菜園の野菜

ドキュメント番組の撮影

新生、四季味亭ふじやはこの年から今現在までとても多くのお客様に支えられています。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。
そんな中、なかなか予約がとれない、なんとかしてくれとお𠮟りのお電話を頂く事も多くなりました。
そのきっかけから誕生したのが『離れの宿 楓音』になります。
四季味亭ふじやの想いを受け継ぎ、姉妹館として2017年にオープンしました。
しかし忘れもしません。オープン日は1組のお客様でした。その後も1組、2組と予約のお客様が少なくて大変苦労した時期がありました。
いかに今まで積み上げてきた旅館と新規の旅館は違うんだと思い知らされた瞬間でもありました。
それでも四季味亭ふじやのお客様がご宿泊して頂いたりと日々を過ごす事で少しずつ知名度が上がりまともに運営できるようになっていきました。
離れの宿 楓音が少しずつ営業が安定してきたところで2019年四季味亭ふじやの客室3室に露天風呂が付く工事を行い、全室露天風呂付客室の宿としてパワーアップしました。

楓音開業日01

楓音開業日02

四季味亭ふじやと離れの宿 楓音。この両館は姉妹館ではありますがまったくコンセプトが異なる事もあり一番のライバル宿として今も切磋琢磨してお互いを高めあっています。
2021年の離れの宿 楓音が生まれ変わるほどの大幅な増築。2022年の更なる増築も行いました。
すべてはお客様あっての旅館。
お客様が快適に過ごしそして忘れられない思い出に残る宿となる事が創業メンバーの想いでもあります。
これからも変化し続けるこの宿と共に過ごせる事が幸せです。

そして2024年6月。
コンセプトがまったく異なる新たなヴィラ『露天風呂付きヴィラ紅葉-KUREHA-』がオープンしました。
別荘に泊まりに行くようなプライベートな空間が広がる完全独立型のヴィラ。旅館とは異なり、大部分をヴィラで過ごします。

旅の目的に合わせて、四季味亭ふじや・離れの宿 楓音・露天風呂付きヴィラ紅葉-KUREHA-を選んでいただければと思っています。